睡眠障害の説明

睡眠障害イメージ

睡眠障害は、日頃の睡眠に対して何らかの問題が生じている状態であり、不眠症、過眠症、睡眠時随伴症などの種類があります。放置していても自然に治ることが期待できないケースも多いので、まずは心療内科や精神科を受診することが大切です。

不眠症

睡眠障害の中でも圧倒的に多くの患者数を占めるとされているのが不眠症です。その患者様にとって必要とされる睡眠の質、あるいは量がとれていない状態となり、日常生活に支障をきたしてしまいます。睡眠障害は、主に入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害の4つに分類されます。このうち入眠困難は、不眠症の中でも患者数が最も多く、布団の中に入ってもなかなか寝付くことができない状態を言います。ストレスや不安・緊張などが影響していることが多いのですが、一度眠ることができれば、朝までぐっすり眠れます。

中途覚醒は、入眠には問題ないのですが、睡眠中に何度も目が覚めてしまいます。この場合、熟睡することが難しいため、日常生活に支障をきたすようにもなります。早朝覚醒は、起床予定時刻よりも早く目覚めてしまい、それ以降は寝つけなくなります。うつ病の患者様や高齢者の方によくみられます。熟眠障害は、睡眠時間は十分とっているはずなのに、熟睡ができていない状態です。高齢者の方や神経質なタイプの方に起こりやすいと言われています。

過眠症

過眠症は、睡眠時間を十分にとっているはずなのに、日中に強い眠気に襲われ、仕事や学校にも影響が及んでいる状態です。睡眠時無呼吸症候群などの患者様に多くみられます。この場合、眠っている最中に気道が閉塞し、低呼吸あるいは十秒ほどの無呼吸状態を何度も繰り返す睡眠時無呼吸症候群を発症していることが考えられます。放置していると生活習慣病の発症リスクも高めますので、お早めにご受診ください。

ムズムズ脚症候群

ムズムズ脚症候群は、じっと座ったり横になったりする安静状態になると、主に脚がムズムズ・ピリピリする病気です。レストレスレッグス症候群とも呼ばれています。ひどくなると、かゆみや痛みなどの不快感も出現します。人によっては、腰や背中、腕や手にも症状が現れます。患者様にもよりますが、夕方から夜間にかけて症状が現れることが多いです。

概日リズム睡眠障害

概日リズム睡眠障害は、体内時計の周期を外界の24時間周期に適切に同調させることができないことで起こります。ご承知のとおり、地球の1日の周期は24時間なのですが、私たちの体内時計の周期は約25時間となっています。この約1時間のずれは様々な刺激によって修正されるのですが、ずれを修正することができない状態が続くと、望ましい時刻に入眠し、覚醒することができなくなってきます。これに伴い、眠気や頭痛、倦怠感、食欲不振などの身体的な不調が現れてくる状態が概日リズム障害です。

なお、概日リズム睡眠障害は、人為的・社会的な理由により体内時計を短期間にずらさなければならない場合に起こる時差症候群、および交代勤務睡眠障害、体内時計が外界の周期に同調する機能に問題がある場合に起こる内因性概日リズム睡眠障害(睡眠相後退症候群、睡眠相前進症候群、非24時間睡眠覚醒症候群、および不規則型睡眠覚醒パターン)に分類されます。